自伝を作ろうとしている社長へ
みなさんこんにちは。パーソナルメモリーズの須藤です。
久しぶりですが、今週は私が「自伝を作ろうとしている社長」に向けてブログを書きたいと思います。
ちなみにこのブログは、神戸のお客様宅に向かう新幹線の中で書いています。
このお客様は今日がお誕生日で、卒寿の記念として自分史を作りました。お誕生日に間に合い、卒寿のプレゼントとして渡すことができ、お客様もパーソナルメモリーズも満足感があります。
後ほど、自分史を手に取ってもらい、喜んでいただけたら嬉しいなと思っています。
さて、今日のテーマである、自伝を作ろうとしている社長というキーワードにも当てはまるのですが、このお客様も創業者として長年社長をしてこられた方です。今は息子さんに会社を継いでいます。
先日、「社長が自伝をプレゼントしてきたら、その会社は伸びないって本当?」 という記事を書きました。まだご覧になっていない方は、こちらからお読みください。
⇒https://www.personal-memories.jp/jibunshi/20170226/
その後、著名投資家の本をすべて読み、どのように書いてあったのかを探りましたところ、次のような説明が書いてありました。
過去の苦労話
投資家が社長にインタビューをする時、大半が過去の苦労話をするのであれば、それはすでに終えてしまった出来事を回顧するだけの後ろ向きの姿勢を示すものです。将来の事業展開については何の意思も持っていないことになります。
誤解を避けるために付け加えますが、投資家にとって経営者のヒストリーを知ることはとても重要な情報になります。
どのような人生を送って来たのか。育った家庭、学生時代の過ごし方、どんな本を読み、どんな体験をして、どんな友人がいたのかといったことは、経営者の人となりや生き方、ビジョン、会社運営の方針などに少なからず影響をおよぼしているからです。
投資家にしてみれば、現在何をやっているかを熱心に語り、将来のビジョンについて語る経営者に投資をしたいのです。
なぜそうしたビジョンを持つに至ったかを知るためには、その人の歴史を知る必要があるのです。
ですから、私が社長にインタビューをする際に積極的に過去の話をうかがうのも、それが理由なのです。ところが、歴史と過去の苦労話とではその意味するものが大きくことなります。しかも、社長のほうから積極的に苦労話ばかりをアピールされるのは、社長がすでに目標に到達してしまったことを表明しているようなものであり、むしろネガティブな印象しか受けないということなのです。
と、このようなことが書いてありました。
前回もお話した通り、社長でも社長でなくても、苦労話やそれを乗り越えた話など自分史のエピソードは多岐に渡ります。もちろん苦労話が多くなることもあるでしょう。しかしそれをどう乗り越えたのか、またその時どんな哲学を見出したのかは、決してネガティブな印象ではありません。
社訓や経営理念がどのように生まれたのか。
会社・投資家・役員・社員・顧客に何を与えたいのか、どのようにあって欲しいのかという根本を知る術となります。
「この時自分はこんな苦労をしたので、こんな会社にしたいと思います。それをみなさんに理解してもらいたいと思います。だからみなさんの人生や会社での振る舞いをこうして欲しいと願っています」
というポジティブな印象が強いと感じています。
さらに、自伝を作ることによって過去を見直し、新たな目標や次のステップを考え直す社長は少なくありません。
目標に到達した後にどうするのか?
これを考える良い機会であるということです。
定年退職をした男性が燃え尽き症候群になってしまうことはしばしばありますが、一度会社人生を振り返ってみて、自分の人生は何が大切なのかを考え直すきっかけにもなっています。
社長も同じですね。
(もうお金もあるし、目標も達成した。さて、これからどうするか・・・)
と考えた時に、自伝や自分史を作りながら過去を振り返ってみて、やり残したことやこれからの目標を設定する方がとても多いです。
社長の自伝を本人からプレゼントされたら、その会社への投資は控える
自伝をプレゼントする行為は、まさに達成感のあらわれです。すでに確定した評価に満足していることを証明するだけなのです。
本来、社長というのは自分のこと、自分の思想を伝えたい人なのです。経営という行為はいかに多くのお客様を獲得し、従業員を鼓舞してモチベーションを高めるということですから、いわば自分の思想を実践する場としてとらえることもできます。
それは社長自身が発信者でなければできないことなのです。ですから、社長が自分の考え方を人に知らしめたいと思い、自伝を書くという行為はけっして不自然ではなく、むしろ当然の性向なのかもしれません。
しかし一般に自伝というものは、自分自身の行為に対する評価であり、結論ともいえるものなのです。目標に達成したという意識を持った人でなければ完結しない物語です。
ですから、自伝を書くことができる人というのは、挑戦が終わってしまった人、幕がおりたものと判断できるのです。こうした社長が率いる会社に成長の可能性があるとは考えにくいのです。
そうした性格のものでなかったとしても、プライオリティが下がってしまう。苦労話を聞くことはそれなりに意味があります。でも、内容が自慢話に変わってしまうのは、事業に達成感を持ったことを意味します。つまり、事業意欲もそこで終点ということなのです。そうした社長の率いる会社には、今後の成長はまず望めません。
と、このようなことが書いてありました。
お客様の中には現役の社長もいますが、今は会長になっている方も多くいます。社長であっても、有能な右手がいることが多いのも事実です。プライオリティに関しては、現役バリバリで社長業を行っている人は一部にしか過ぎないと感じています。
本当に自伝が作りたくて、さらに事業にも明確な目標がある方が圧倒的に多いですが、この人たちは現役バリバリではなく、自分が居なくても会社がまわるような仕組み作りを一番の目標とされてきた方々です。
俗に言う会長などです。後継者にしっかりと引き継いで、自分は会社の理念や想いを継承することを目標とする。
こうして代を重ねる毎に成長していく企業がほとんどです。
ちなみに、過去に自慢話が多い自分史はどうなのか?という記事を書きましたので、ご参考にしてください。
自分史の書き方(自慢話は書かない方が良い?)
⇒https://www.personal-memories.jp/jibunshi/boastful-account/
創業者のコンプレックスを聞くことは重要なキーになる
経営者の歴史を知ることは重要です。
この話からも分かる通り、会社の歴史だけではなく、創業者や経営者の歴史を知ることはとても重要です。予期せぬ危機の時に、司令塔がどんな判断・決断を下すのかが見えやすくなるからです。
経営者は、包み隠さず自分の歴史や過去を話す方が多いように感じられます。
それはなぜかと考えると、自分の周りにいる部下・投資家・役員・社員・顧客・取引先などに、信頼感を抱いてもらったり、理念に共感してもらったり、自分がどんな行動を取るのかを知って欲しいからでもあります。
これは自伝や自分史を作ることによって、周りの人に心の底から理念に共感してもらい、自分が理想とするより良い社会を作っていく方針を伝えたいというポジティブな行動なのです。
自分史の書き方(自分の過去に自信を持つ)
⇒https://www.personal-memories.jp/jibunshi/confidence-in-the-past/
まとめ
長くなりましたが、言いたいことは、
・自伝を作ったからと言って儲からないことは無い
(むしろ中小企業は業績が好調である)
・パーソナルメモリーズのお客様は創業者・会長・社長が多い
・著名投資家が何と言おうと、本当に自伝を作りたい人は作るし、作らない人は作らない
ということでした。
自信を持って自伝を作り、より人生や会社を充実したものに出来ればと考えております。
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