自分史を書いておいて本当に良かった

こんにちは。
パーソナルメモリーズ スタッフのキョウコです。

昨日から徐々に暖かくなってきましたね。花粉も飛び始めてきたようです。

まだまだマスクが手放せない季節ですね。

須藤はバレンタインデーでチョコレートやワインをたくさん頂いて喜んでいました。

チョコレート

 

 

先日、須藤が5年前に自分史を作ったお客様の家に行きました。

娘さんから、「母が認知症と診断されました」との連絡をいただいていたそうです。

5年前に自分史を書いておいて本当に良かった

その方は5年前にパーソナルメモリーズのおしゃべり自分史で自分史を作成した90歳のお客様です。

当時、須藤と楽しくおしゃべりをしながら生まれた当時の家のこと、戦争の体験談や自身の結婚、出産など様々な人生の出来事を語ってくれたそうです。

その結果、結構なボリュームのある自分史が完成しました。

お客様の人生で起きた主要な出来事がほとんど書いてあるくらいの大作となりました。

認知症と診断される前から、「最近の出来事が覚えにくくなっている」と当時からご本人は言っていたそうです。

須藤は「年を取ったらそうなるのは当たり前のこと。認知症でもそうじゃなくても、昔のことは覚えているけど最近のことは忘れてしまいやすいという方がほとんど。」とこれまでの経験から話していました。

この日の面会では、須藤と一緒に作った自分史を読みながら、最近のことや昔の出来事をお話したそうです。

お客様は最初は、「こんな話書いたっけ?」という感じでしたが、徐々に話を進めていくとスラスラと過去の出来事をおしゃべりし始めたそうです。

須藤が自分史を片手に話を聞いていると、お客様がまるで自分史を丸暗記してそのまま読んでいるようだったと言っていました。

最近の出来事と昔の出来事は脳の使用部分が違います。短期記憶と長期記憶と呼ばれるもので、須藤の経験では、「長期記憶は忘れないお客様がほとんど、というより全員覚えている!」というくらい忘れないものだそうです。

一時的に脳の機能が低下して思い出せないことはあっても、一時的にデータが引き出せないだけであって、データ自体は存在するので、違ったアプローチでアクセスすれば思い出すことは簡単に出来る。というIT出身者らしい話をしていました。

このお客様の記憶を引き出すアプローチとは、自分史を使ったものであったそうです。

「生まれた時はどこに住んでいましたか?」

という質問をすると、

「○○という家に生まれたけど、すぐに生みの母が死んでしまって・・・」

と5年前におしゃべり自分史で取材した時と同じエピソードを話してくれるのです。

須藤は当時の取材音源と今回の音源を比べてみたい、それくらい同じ話を正確にしてくれる。と言っていました。

さらに戦争の体験談は余程インパクトが大きかったようで、いつでも「戦争の時はどうでしたか?」と聞くとお話してくれます。

 

他にも娘さんから、「先日は東日本大震災のことを忘れてしまったんですよ」と言われたそうです。これも上記で挙げたように、忘れてしまったのではなく一時的にアクセス出来ないだけなのです。

そこでまた自分史を片手に、「第○○章を見てみてください」と言って、お客様の自分史をパッと見てもらいました。そこには東日本大震災の章が書かれており、そのページを見ただけでこの章の話がスラスラと話せるというくらいお話してくれたそうです。

それくらいきちんと覚えているのですが、細かいことは忘れてしまっていることもあるようです。

この東日本大震災の当日のお話は色々な人から助けて貰ったり親切にして貰った経験が溢れています。その中でもタクシーチケットを譲って貰ったお話があり、当時のおしゃべり自分史の取材時にはタクシーチケットの番号まで言って、「今でもその番号を覚えているんだよ」とおっしゃっていたそうです。

今ではその番号は思い出せませんが、5年前にきちんと自分史に残していたからこそ、思い出を形にすることが出来て、ご自身も娘さんも「自分史を書いておいて本当に良かった!」心から言っていただけるのです。

「良い時期に自分史を作ることが出来ました。今から作ろうと思っても絶対に出来なかったですよね。本人も自分史をたまに読み返して楽しんでいます」と娘さんはお話していたそうです。

確かにそうですよね。記憶がはっきりしたうちに自分史をおしゃべりしていただいたからこそ、自分史が完成して、昔の出来事を振り返るのに役に立っているのです。

今から自分史を作ろうと思っても、きっと5年前に作った自分史のような大作は出来なかったと思います。

 

このお客様も他のお客様もそうですが、おしゃべり自分史でおしゃべりした後には、脳が活性化するようです。

どういうことかと言いますと、認知症では調子が良い時と悪い時があります。調子が悪い日は色々と分からなくなってしまうそうです。

ですが、おしゃべり自分史で過去の思い出を思い出したり、お話をすると調子が良くなると言って頂くことが多くあります。元気になっているとか明るくなっているなども同様に言って頂くことがあります。

自分史と脳の関係については、4年前の記事をお読みいただければさらに分かりやすいと思います。
自分史を作成すると脳が活性化するって本当!?

認知症についての記事はこちらをお読みください。
回想法を駆使した自分史作り

自分史と認知症の関係

 

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