こんにちは。パーソナルメモリーズ代表の須藤です。

今日は、

社長が自伝をプレゼントしてきたら、その会社は伸びないって本当?

というお話をします。

先週、経済番組で著名投資家が、

社長が自伝を手渡してきたら、その会社は成長しない

と発言しました。

「社長自身が自分で書いた自伝を渡すことがたまにある。自伝をもらった会社でその後成功した会社はほとんどない」

と。

理由は「経営者が今を生きていない」からだそうです。

「過去の業績ややったことを話したいというのは終わった人。今を生きている人は今やっていること、将来したいことを語りたくてしょうがない。過去のことばかり話す人が成功することはまずない」

と発言していました。

 

パーソナルメモリーズでは、これまで数多くの経営者の自伝や社史を作成してきました。

では、本当に自伝・自叙伝・自分史・社史を作った社長の会社は成長していないのかというと・・・。

自伝_株価

会社が成長していないことは全くありません。

むしろ儲かっている会社が多い、というより、ほとんどの会社が儲かっています。

あまりこんな話を大きな声ですることでもありませんし、お客様先の会社の情報をあれこれ出すことはしていないので、詳しくはお話しませんが、

社長が自伝を手渡ししてきたら、その会社は成長しないということはまずありません。

 

ではなぜ著名投資家が、自伝を貰った会社が成長しないと言ったのか?

その理由についてお話します。

理由1 成長しない企業に当てはまるのは、著名投資家の投資先会社である

まずは、第一に著名投資家が投資する企業は、上場企業かそれに準ずる企業ということになります。

外部からの出資や融資を受けていたり、上場を視野に入れている企業ということです。

外部からの投資や出資を受けていない企業はこれに当てはまりません。

したがって、外部に株式を取得させていないオーナー企業などは、著名投資家との接点もなく、面談の場を設けている訳ではないので、投資家からしたら儲かっているのか儲かっていないのかは判断出来ません。

自伝を書いた社長でも、自己資金で会社を経営して儲かっている、言い方を変えれば出資した株式の投資対効果が高い企業ということになります。もちろん業績も伸びている訳です。

 

 

著名投資家が投資する企業は、投資したときの事業計画から変更することはほとんどありませんので、投資時から見て儲かったのか儲かっていないのかという判断になります。

著名投資家が見ていない中小企業では、大胆な路線変更で生き残り、業績を伸ばしている企業も意外と多くあります。

過去に拘らず、かつ過去の経験を生かして、自分自身と対話することにより、未来の社会に順応していくという、変化に上手く対応出来るケースです。

 

理由2 事業計画や事業のビジョンに投資する

投資家としては、事業計画やこれからのビジョンを話して欲しいということは分かります。

だけど、ビジョンを語る前に、

・どのような会社なのか
・どういう思いで事業を立ち上げ、どんな思いで経営しているのか
・どのような人が経営しているのか
・どのような山あり谷ありのエピソードがあるのか
・危機の際にどのような対応をしたのか

など、これからのビジョンを聞く前に知りたいことが山ほどあります。

本当にビジョンやこれからやりたいことばかりを話してもらって、それだけで出資をするか決められるでしょうか?

なんでそのビジョンを描くようになったのか、うまい話ばっかりしていないだろうか。とも考えるはずです。

 

経営者が過去にどんな行動を取ったのかということも投資家としては知りたいのです。

今後同じようなことが起きた場合にどのような対応を取る社長なのか、良い意味でも悪い意味でもどんな決定を下す人なのかが見えてくるのです。

 

これらの情報は、その場の面談の雰囲気だけで判断するのか、それともじっくりと企業と社長の背景にあるストーリーを加味するのかによって企業の見え方が大きく変わってきます。

社長としても、過去の栄光だけではなく、

・どのような経営をしてきたのか
・どのような失敗をして、それをどう乗り越えてきたのか
・どのような強みがあるのか
・その事業背景を元に、今後どのような経営判断を下して行くのか

を知って欲しいのです。これは投資家にだけ知って欲しいのではなく、社員や取引先などステークホルダーに知っておいて欲しいということも多くあります。

また、外部に情報を知っておいて欲しいということだけではなく、自分自身を振り返って今後の判断やビジョンに活かしたいと考えて自分史を作る経営者も多くいます。

例えば、

新規取引先と契約をする場合、昔こんな取引先とお付き合いしていたらこんな目に合った。

それ以来、新規取引先と契約を結ぶ場合には○○という条件を入れたら上手く行くようになった。

だから社内でこんな決まりを作った。

とか、

社長が昔お世話になった会社では社員に誕生日プレゼントを渡すようにしていた。高額なものではなくても、大事にしてもらっていると感じて嬉しかった。

だから創業の時に「社員を大事にする。社員が楽しく働ける環境を提供する」と決めた。

業績が芳しくない時でも、社員のことを想い、高くないものだとしても誕生日プレゼントを渡した。

結果、社員の士気を維持し、社内が一丸となって仕事をして業績が上がった。

ということもあります。

 

他にも、

当時自分が下した判断が合っていたのか間違っていたのかが分からなかった。

だけど自伝を書いてみて、今そのことを振り返ってみると、長期的に見てこんなメリットがあった。

やっぱり間違いではなかったんだな。

これからも同じような岐路に立った場合は、この経験を活かして判断すれば良いんだな。

自分が引退した時にも、後継者に参考にして欲しいな。

と感じることもあります。

 

理由3 過去を振り返って未来を決める

先にも挙げたように、社会の事情や自分や会社の状況を加味して大胆な路線変更で成功した会社も多くあります。

これは上場企業でも同じことで、時代に応じた的確な順応で事業内容を刷新している事例もあります。

なぜそのような大胆な判断が下せるのかと言うと、創業者が常に自分史や社会の歴史を元に、要所要所で振り返って、これからのビジョンを検討しているからに他なりません。

自伝・自叙伝・自分史というジャンルでなくても、上場企業の経営者が半生を記した書籍も数多くあります。その中で業績が右肩上がりの企業ももちろん存在します。

 

まとめ 社長が自伝を書いたら、会社は上手く行く

自伝を書く上で過去を振り返ってばかりいるから、今や未来が見えていない

というのは短絡的な考え方です。

今をより良く生きたり、未来を予測したり、どんな自分や会社でありたいのかを考える上では、必ず過去のエピソードを振り返ります。

だからこそ慎重になったり時には大胆な戦略を打ち出すことが出来るのです。

また自伝をプレゼントされた社員や取引先や家族なども、

「社長はあまり自分のことを話さないけど、こんなことを思っていたんだ!」
「給料が低いと感じたこともあったけど、実は大事にしてくれていたんだ!」
「社長が引退して今後の経営は不安だけど、○○という想いは引き継ぎたい!」

と感じます。

 

著名投資家は、他にも儲からない会社の特徴を挙げていました。

・晴れている日に傘立てに傘が溢れている会社は儲からない

理由は、誰も片付ける人がいない。会社内の問題を誰も自分事と感じていない。

・会社内でスリッパ履きの会社は儲からない

理由は、公私混同されている。オフィシャルな場と自宅のリラックスモードと区別がついてない。

と言っていました。この二つに関しては今回はお話しませんが、

とにかく、パーソナルメモリーズのお客様の経営者は、自伝を書いて会社が上手くいっています