先日、田中角栄の自分史シリーズで
財閥トップの目にとまる編」のお話を
しました。

今回はその続編となる
「大蔵省での堂々たる演説」
をお話したいと思います。

 

四十四歳という史上最年少の若さで
大蔵大臣に就任した角栄。

今までは、メディアの記者から
「角さん」
と気軽に呼びかけられていたが、

大蔵大臣となった角栄を前にすると
なにもしゃべれなくなったそうである。

大蔵省に着任すると、訓示をした。

大講堂に集まった職員たちは、
値踏みをするとうに新任大臣を見た。

職員たちは東大卒で、
さらにその中でも財務のエキスパートである。

エリート中のエリートだ。

角栄の演説が始まる。

「私が田中角栄だ。
ご承知の通り小学校高等科卒だ。

諸君は天下の秀才揃いで、財政のエキスパートだ。

しかし、私は素人ながらトゲの多い門松を
くぐってきたので、実際の仕事の要領は心得ている。

仕事を上手くやるには、互いのことをよく知る
ことが大切だ。

大臣室のドアはいつでも開けておくから、
上司の許可は得なくても良いので話に来てくれ。

出来ることはやる。出来ないことはやらない。
仕事は思いっきりやってもらいたい。

責任はこの田中が持つ。以上。」

拍手喝采だったそうである。

最初は斜に構えていたエリート中の
エリートたちも、
角栄に圧倒されてしまった。

この後も、事あるごとに角栄の世話になり
生涯の忠誠を心に決めた者もいた。